大切な財産である家は図面によって建てます。しかし肝心の図面は確かなのでしょうか? |
構造図について
大工さんが建物を作るには当然図面が必要です。お客様に渡す平面図・立面図だけではありません。建て方をするのに2×4住宅では構造図という図面が必要になります。
基礎屋さん、大工さんは、この図面どおりに建てる事により家の骨組みが完成するのです。構造図はその家の根拠そのものと言っていいでしょう。
そしてこの図面、一体誰が書くのでしょうか? 当社では無論設計士です。しかも構造の専門設計士です。
設計の世界は意匠、構造と分かれるケースが多く、その中で構造は特に専門性が高いのです。
当社の場合、構造図は構造設計事務所の設計士にお願いをしております。そしてここが肝心なのですが、この構造図を必ずお客様にお渡ししています。 「そんな事当たり前ではないか」と言う声が聞こえますが、何故当たり前のこの事が肝心なのでしょうか?
それは現実として構造図をお渡ししていない会社があるからなのです。ハウスメーカーなら当然だろうと思うのに実は渡していないメーカーもあります。
では、構造図はお客様に必要なのでしょうか?
これは必要と言い切ることができます。 なぜかと言いますと将来の増改築、リフォームなど躯体をいじる必要が生じた場合、工事をする側は何を根拠に工事を進めるのでしょうか?
当然図面があればその図面を元に工事を計画するはずです。事前に計画する事無く、いわゆる「やっつけ」で工事を進め、ハイ終わりで済まされるほど建築は甘くありません。構造図がないと大変です。 「屋根の形を変え小屋裏収納を大きく作りたい」とご要望があっても、その荷重に壁が耐えられるのかの判断に迫られた時、手も足もでません。適当に補強するしかないのです。 そりゃあそうです、なんせ判断根拠がないのですから。
最近の当社の例として15年ぐらい前に輸入住宅を建てた人が来ました。リフォームをしたいとの事ですがその会社は既に廃業しており、是非、バルコニーと小屋裏の工事をお願いしたいと依頼されました。 構造図がありましたので難なく工事が終わりましたが、もしこれがなかったら面倒な作業をする事になったでしょう。
他にも在来工法で建てている人が増築の依頼をしてきました。間仕切壁の移動もあります。このお客様も伏せ図、詳細図、断面図などがありましたので事前に基礎工事・木工事・電気工事と全て計画し工事を進めることが出来たのです。
では、次に確かめなければならないのは、その構造図の根拠は正しいのでしょうか?
何も伝えたいのか言いますと、構造図が根拠なので「そのとおりに建築すれば」いいのではと言う単純な思考回路ではいけません。と言いたいのです。
なぜなら構造を設計する人にも色々いるからです。当然未熟者もいるでしょうし構造の設計をイロハから勉強していない人もいます。なんせ二級建築士の免許さえあれば誰でも木造2階建ての構造は絵に画けるのですから。
それと検査機関ですが、いいですか。検査機関の検査では現場をチェックする時、図面どおりに施工されているかを見るだけで図面の確かさを診ることはありません。 そうです、とどのつまり、良くも悪くもその家の根拠はまさしく「構造図による」なのです。
締めくくりとして必ず構造図はもらいましょう。 そして誰が書いたのか、確かなのかを聞いてみましょう。
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